座禅と転職
お寺で戴いた小冊子に座禅とはなにか?
御坊が嘆くには、座禅とは“自分から解放されること”と説いても、“自分を解放すること”と勘違いする方が多いとか。
難しいことは割愛しますが、Who are you?と聞かれて普通は名前を言い、生まれ、職歴などと思ってしまいます。しかしそれは過去の自分であってあなた本来の今のあなたではない、というのが理屈です。過去の自分、しがらみから解放されて初めてありのままの境地になるんだそうです。
一方で勘違いの“自分を解放すること”は勝手気ままに欲望の命じるままにそれを自由と取り違えてしまうとのこと。確かに世界安寧と世界征服くらいの違いがありますね。私の理解力では不安があるので読んだ皆さんは座禅の意味を後で良く調べてくださいね。
ここから本題ですが、今週、エムさんという転職希望者に会いました。長年にわたり機械設計のエンジニアとして超大手のメーカーでCAD設計を担当していました。そのキャリアを活かせば、故郷に帰ってもいくらでも転職先はあるでしょう、と言うと、本人曰く、この歳になってもただCAD設計しかできないのが嫌になったとのこと。
世の中では、安泰安心と信じて大企業に入社したのに、いつしか外資になったり、再編、倒産という形で大企業と言う巨大な風呂桶がひっくり返り多くの正社員がこぼれ落ち、いきなり社会の中で弱者になってしまう現実。自治体ですら夕張市みたいなこともあります。
設計エンジニアとしての技術をもっているエムさんは羨ましがられる存在だと思うんですが、と思わずいいました。転職先でもエムさんの技術に期待するはずとも。
しかしエムさんの意思は固く、今の自分を見て評価してくれる中小企業に入社したいとのこと。
それでフト座禅の話を思い出したわけです。私たち転職支援エージェントからすれば、一見無謀、勿体無いと思いがちですが、案外エムさんの方が数段高尚な意思を示していたのかもしれません。
エムさんとは引き続きさまざまな提案をして、今後考えられる可能性もすべて考慮したうえで、長い付き合いでいきましょうと言う事になりました。頑張りましょう。
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